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ネパールは、2006年に王政が廃止され民主化しましたが、それまでの情勢は混沌たる内戦状態でした。至るところで紛争が勃発し、罪のない多くの住民も多数巻き添えになってしまい、その犠牲で手足を失ったり、治療のできない身体になってしまった人は少なくありません。 ネパール内戦時の山間部で私がNPO活動をしていたとき、地域に暮らす人々は、いつも尊厳を失わず、生きる望みを持ち続けていたことを私は今もはっきりとおぼえています。そしてどんな試練があってもけっして後ろに下がらず、前を向いて生きようとする姿は、とても尊ばしく、清らかでもありました。カトマンズには、先の内戦で障害を負った14人が、彼ら自身でNGOを設立して子供と一緒に生活する「Possible life center」という施設があります。政府からはほとんど手当は支給されず、支援者が少ないために厳しい生活環境であることが現状で、主に縫製や手工芸品作りで生活をしています。過酷な日々の中にあってさえも、彼らは名前通り「自分自身を変革し、可能性を生み出す」ことを目標にかかげ、自身で能力を高めようと努力している姿には、心から尊敬するばかりです。今回初めて、ゆいガイアとして、彼らの生活の楽しみのために楽器を支援しました。国の犠牲になった彼らに、私はこれからも微力ながらでも支援をしていけたらと願っています。
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