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いのちをつなぐ

                
                            2015年5月大地震チャリティ
 
 ネパール大地震で、国民はとても多くの人と物を失った。1934年にもあったM8.1の大地震。今回よりも大きかったらしいけれど、その時よりもこの大地震の被害の甚大さ。ここ20年程度のうちにものすごい早さで何もかもが膨れ上がったネパールそのものを根こそぎ奪い去ってしまった。

 カトマンズのカレンダー工場の経営者の家と工場は、なんとか倒壊は免れたけれど、労働者ほとんどの家が壊れ、食糧も水もテントもないカトマンズから出て行ってしまった。しかし経営者は労働者を20人探し当て、工場で寝泊まりさせて食事も提供し、カレンダー生産の再開にこぎつけている。現金収入を与えることが、彼らの力になるだろう、と。しかし、2016年カレンダーが7月に無事に入荷できるかはいまだ不明瞭だ。

 チベット国境近くのNPO活動地も、何万人もの家屋はほぼ倒壊。そして私のパートナーの故郷。カトマンズから東のカブレ群コシデカ村も、全てが崩壊してしまった。村じゅうの家がつぶれ、家畜も死んで、生き残った住民全員が畑で野宿している。備蓄作物が2か月分はあるけれど、テントがなく、タープを縫いつないで雨をしのいでいる程度。雨期が始まり、夜は冷えている。お金があっても資材がどこにもないから、仮設住宅を自分たちで作ることすらできない。だから、今は大きなNGOや政府に頼るしかすべはないのだ。一刻も早く、せめてテントをみんなに届けてほしい。カトマンズで生活をしている他のきょうだい家族も同様だ。食べ物も水もない。少しずつ出てきた野菜売りの食べ物は、通常の10倍もの値段で売っている。倒壊を免れた家には泥棒が入るようになった。これからは治安の悪化が懸念されるかもしれない。それでも、野宿で具合が悪くなるよりも、家の中で寝たい。余震が続く中、ひび割れの入った家で恐怖とともに夜を過ごしている。
しかしネパール人は、元来、助け合いの精神が根付いているから、こういうとき、家が多少無事だった人々は、貧富関係なく、いろいろな地域の支援をしているという。

なんとか、なんとか、命をつないで。

ネパールの国のすべての人が、生きることに希望を持てるように。祈り続けます。
                          
                              ゆいガイア 井林昌子



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