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「希望」という光を求め         2015年オンシーズン

 ネパール大地震。
あれから、4ヶ月が経とうとしている。いろいろな感情が交差して、言葉にするにはちょっと容易ではない。日を追うごとにネパールのニュースは聞かれなくなったけれど、ネパールは大丈夫かどうか、という議論は、簡単な言葉では言い切れない現実が広がる。大丈夫な人は大丈夫なのだけど、そうでない人はたくさん、あまりにもたくさん存在している。

 仮設住宅を建てるお金すらも国には無く、数百万人の被災者の一部にトタン板が数枚ずつ支給されただけで、その後の政府のサポートは止まっている。徐々に食糧支援もなくなり、今は長い雨期の真っただ中、ビニールテントが風に飛ばされないように手でつかみながら暮らしている人々が何百万人もいる現実に、途上国の生きざまをつくづく見せつけられるようだ。
ヒマラヤ山間部では、地震後から実に長い間、どこからも食糧もテントも届かず、強い余震と土砂崩れに怯え、広い平地に木の枝で柱を作り、葉っぱを屋根がわりにして身を寄せ励まし合い、なんとか生き抜いている。11月を過ぎると、そのネパールにまた寒さ厳しい冬が来る。
カトマンズでは貧しい人はますます貧しくなり、明暗が分かれた。過疎化している地方の村々では、年寄と女性子供ばかりで、財産であった家畜も失い、人々の気力はごっそりと奪われてしまった。夜になると、地震で森から出てきたトラが俳諧し、天変地異の起こった地面からはたくさんのヘビが這い出している。ネパールからの毎日の嘆きの声は、日本に住む私たちの心にも深く折り重なり、暗い闇となった。

 だけれど、こんなとき、思い出す言葉がある。2011年東日本大震災の直後、気仙沼の中学校の卒業生が卒業式で述べた答辞。それは今も脳裏に焼き付いている。
「苦境にあっても 天を恨まず 運命に耐え 助け合って生きていくことが これからの私たちの使命です」 
私も泣いて、泣いて、泣きはらしたこの言葉。そして、あの大自然に生かされてきたネパールの民もまた同じように、果て無い悼みに天を仰ぎながらも、きっと天地創造の神を今も尊び敬い続けていることだろう。

現実を受け入れることは難しい。希望を語るには、まだ辛すぎる。
でも、ネパールは、きっと、立ち直る。
信じることから何かが始まる。
苦しんだ分だけ、愛は深くなるだろう。
あきらめない。
いつか心に「希望」という光りが灯るまで。
これから、世界の人々に、ネパール人の底力を見せてあげよう。
それぞれの頂きに向かって、小さくても一歩、一歩…、道は変わっても、いつかはきっと。
これからも・・・ ともに歩いていこう。

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地の底まで見たネパールの人々が想いをこめて作り上げたカレンダーが、ようやく日本に到着しました。
そしてそれがみなさまの心にそっと寄り添えますよう、私たちも願っております。
どうぞご覧ください。

2016年カレンダーの収益金の一部は、ネパールの被災者支援にあてさせていただきます。 

                       ゆいガイア 井林昌子



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