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笑うこと、慈しむこと、自然の力をいただきます。 2013年オンシーズン ちなみにネワール族のその魚のカレーは、はっきり言ってマニアックだ。ネパールでもなかなか食べられない。ネワール族の家に居候していた時、時々作ってくれたごちそうだった。私は狂喜的にそれが大好物で、いつも腹が痛くなるほどガツガツ食べた。その作り方を学び、日本でもスズキが出回るとよく友人にふるまっている。揚げて煮込むには皮の厚い白身のスズキがいちばん合っている。そして味もネパールの川魚に似ている気がする。我が家では、ベジタリアン民族出身のネパール人パートナーには作れない、私オンリーメイドの料理である。 ところで、話しは脱線するが、拙宅に友人を招待する時に作るネパール料理のマサラ(スパイス)は、ネパールの義弟が12種類のスパイスを炒ってミキサーにかけて調合した特性オリジナルマサラだ。通常、市販のガラムマサラは30種類ほどのスパイスを使うが、義弟のマサラは12種類と少ない。しかしクミン・コリアンダーがたくさん入っているので、ガラムマサラよりも分量を多く使うことができる、まろやかで芳しいマサラだ。昨年暮れ、そのマサラが切れたので、また義弟にたのんでEMS(国際速達郵便)で送ってもらうことにした。ところが…待てど暮らせど、いっこうに送ってこない。郵便局のサービスが変更になり、自宅で作った食品は郵送できないことになったのだ。義弟は何度も職員に嘆願したが、許可されなかった。そこで、昔、郵便局員であった親戚に頼みこんで、無理やり許可をさせてしまった。しかし、報復のためかEMSなのに普通郵便にされ、ようやく手元に届いたのは、発送後2週間たってからだった。まあ、もともと法を犯してまで送ってもらった食料品だ。文句を言えた立場ではない。ネパールでもめ事を起こすといろいろと厄介なことになりかねないので、要注意…。 そうしてそのマサラは、しっかりと通関で開封され、ガンガンと強烈な匂いを発してようやく無事に到着し、なんとか我が家のネパール料理は再開した。かといって、毎日食べているわけではない。油と塩の多いネパール料理は、ご飯を大量に食べてしまうので、ぶくぶくと太ってしまうからだ。 ネパール料理は、1999年から始まった私のカレンダー制作におけるおおもととなるきっかけだった。これが描きたい。この味を伝えたい。そんな一途な想いからだった。しかし、マイナー部類のネパール料理カレンダーは、少数派好みのためにあまり売れ行きは思わしくない。でもいつかまた作りたいと、機会をうかがいながら、今はただ、ただ、切に願っている状態だ。 まあそんなわけで、今年のワールドシリーズでは、その想いを発散すべく、いろんな国の「おいしい!」を特集し、各ページ、じっくり研究して取りそろえた。「スマイル・デリ」、ぜひ、ご覧いただきたい。表紙はシェルパ族のじゃがいものお焼き。枯れた大地のソルクンブ地方で食べたあの濃厚なじゃがいもの味が忘れられない。土地がやせているほうが野菜はおいしい。うーん、シェルパ料理特集もいいなぁ。 さて、さて、料理のうんちくはとどまらないのでこのあたりにして…。今年のテーマは、「みなぎる自然の力」。全てのカレンダーで、自然の恵みをイメージしてデザインしています。自然に生かされるよろこび、自然を慈しむ想いで描きました。そして今年もなんとか2014年カレンダーが入荷いたしました。今回もそれぞれ、たっぷり力を入れて作り上げておりますので、皆さん、ぜひお手にとってご笑覧くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。 ゆいガイア 井林昌子 |
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